▲ ▼ データベースファイル (2)
▲ データベースファイル
先に述べた 3 つ以外にも以下のようなデータベースファイルが存在する。
- 初期化パラメータファイル
- インスタンスの構成パラメータを記述した ASCII テキスト・ファイルで,インスタンス起動時に読み込まれる。
- アーカイブ REDO ログファイル
- REDO ログファイルの履歴ファイル。このアーカイブ REDO ログファイルを継続的に記録 / 保存することで,バックアップファイルを利用したデータベースのリカバリを行うことができる。
- パスワードファイル
- SYS のパスワードを管理するファイル。データベースにリモート接続して管理作業を行う際に使われる。
△ 初期化パラメータファイル
Oracle サーバーの動作を制御する各初期化パラメータが記述されたテキストファイル。データベースやインスタンスを初期化するのに必要な情報を含む。パラメータや値を変更することで以下のような操作が可能になる。
- Oracle Databese で使用されるメモリー量
- オンライン REDO ログファイルをアーカイブの有無
- 使用する制御ファイルのパス指定
初期化パラメータファイルには,静的ファイル (PFILE (initSID.ora)) と動的ファイル (SPFILE (spfileSID.ora (サーバーパラメータファイル))) がある。
initSID.ora はテキスト形式で書かれており,テキストエディタを使って編集可能。また,インスタンス起動時に変更したパラメータ値は,自動的にファイルに保存されることはない。一方,動的ファイルである spfileSID.ora はバイナリ形式で書かれており,データベース・インスタンスを起動している際に変更したパラメータ値を都度格納し,インスタンス停止後に再起動してもその変更値は有効である。
初期化パラメータファイルのパラメータとして主なものは以下の通り。
初期化パラメータ | パラメータの役割詳細 |
BACKGROUND_DUMP_DEST | アラート・ログ・ファイル / バックグラウンド・プロセスのトレース・ファイルが書き込まれるディレクトリパス |
CONTROL_FILES | 制御ファイルのファイルパス (byte) |
DB_CACHE_SIZE | データベース・バッファ・キャッシュの標準ブロック・サイズ |
DB_NAME | データベースの識別名 |
LOG_BUFFER | REDO ログバッファのバッファサイズ (byte) |
MAX_DUMP_FILE_SIZE | トレース・ファイルの最大サイズ (byte) |
SQL_TRACE | SQL トレース機能の有効 / 無効 |
SHARED_POOL_SIZE | 共有プールのサイズ (byte) |
TIMED_STATISTICS | 時刻に関した統計情報収集の有効 / 無効 |
USER_DUMP_DEST | ユーザ・トレース・ファイルが書き込まれるディレクトリパス |
△ アーカイブ REDO ログファイル
一杯になった REDO ログファイル (ロググループ) は,バックグラウンド・プロセスのアーカイバ・プロセス (ARCn) によってオフライン・アーカイブ先に保存されるが,その生成物をアーカイブ REDO ログファイルと呼ぶ。ただしこの生成プロセスを実行できるのは,データベースが ARCHIVELOG モードで稼動しているときのみ。アーカイブの実行は自動と手動の 2 種類から選ぶことができる。
生成されたアーカイブ REDO ログファイルは,その元となった REDO ログファイルと同一のログ順序番号で格納される。保存元となった REDO ログファイルは LGWR によって次々と上書きされるが,上書きされる前にとアーカイブとして次々と保存されるため,途切れることのないログ順序番号でアーカイブが保存されていくこととなり,データベースをリカバリする際などに必須の情報となる。
データベースは必要に応じて複数のアーカイバ・プロセス (ARCn) を起動し,一杯になった REDO ログのアーカイブ作業が遅れないようにする。
△ パスワードファイル
Oracle Database では,データベース管理者がデータベースの停止や起動などの操作を行うための認証方式を以下の 2 種類用意している。
- オペレーティングシステムの認証を設定して利用する “OS 認証”
初期化パラメータファイルのパラメータ REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE = NONE - Oracle データベース独自で作成する“パスワードファイル認証”
初期化パラメータファイルのパラメータ REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE = EXCLUSIVE
(複数のインスタンスで 1 つのパスワードファイルを共有するときは,= SHARED)